井上堯之さん引退

だそうです。

知らない人も多いかもしれませんけど、堺正章さんがいたスパイダースというGSバンドを経て、70年代はPYGとか井上堯之バンドとかで、太陽にほえろとか傷だらけの天使とか、多くのテーマソングをてがけたり、全盛時の沢田研二とかのバックバンドやったり、マッチの「愚か者」作ったり、とそんな感じの人です。

わたしは元々裏方好きで、過去だいぶ古い記事ですけど、S-Ken阿木譲という人物を取り上げている記事がありますが(http://d.hatena.ne.jp/fraflo/20050310)、好みは今でも変わりません。

日本で、バンド、ではなくて、あくまで裏方で支える「演奏集団」として個性が成立したのは、きっと井上堯之バンドと細野さん率いるキャラメルママ→ティンパンアレー、ぐらいじゃなかったのかなと思います。(他にもいたら、教えてください)

それには時代性という部分もあって、60年代までは、お抱えのオーケストラが一発録りでオケを作って(だからオケっていうんだよねきっと)、歌手が歌う、といった感じだったんだと思いますけど、70年代に入って、上述のバンドの方々が、セルフプロデュースみたいなことをしだして、オケは、オーケストラから生バンドへと移っていったんですよね。

でも80年代に入ると、機械が自動演奏するようになってきて、スタジオミュージシャンの活動は個別化し、演奏集団自体のお役目は減ってきた。つまり、井上堯之バンドとかティンパンアレーのような活動がクローズアップされた時代というのは、ほんとうに狭い範囲の時期だったんではないかなと思いますね。

最近チャートを賑わす、人気のあるバンドとかの演奏風景を見ていると、なんというか、埋もれているですよね。存在感がないというか。

演奏集団として「歌を殺さない」というのは大切なことですが、「出すぎず、引っ込みすぎず」という絶妙のバランスがあって「演奏家」として浮き立つこともないと、面白くない。

それは派手な演奏をする、ということではなくて、音で、というかステージに立っているだけで存在感を示せるかどうか、というようなことだと思うんですけどね。

ローリングストーンズのキースリチャーズみたいな存在感と色気ののある演奏家って、日本にもある数はいると思いますけど、そういえば最近そういう人みないなあ、というのを井上堯之さんの引退に思うのですが。っていうか、わたしが若手の人気バンドに興味が無くなっているだけですかね。

20代の音楽好きに、聞いてみたいところです。

というわけで、とyoutube井上堯之バンドを探したらあまりよいのがないので、70年代当時のティンパンアレーで。