一万円の話から完全にシフトしちゃいますけども。。
今、スマップのことがニュースで大騒ぎですけども、わたし当事者と同じ歳なので、いろいろ考えますね。この事件は。しかしヒステリックな報道(そりゃ毒カレーも一緒ですが)に辟易しますね。いろんな意味で野蛮な国だなと、思います。ほんと。
ロスジェネの象徴のひとつとしてスマップは存在したと思うんですね。わたしらが受験戦争してた頃、彼らはアイドル生き残り競争をしていたし、就職氷河期とアイドル氷河期は似ている。(笑)
アイドル氷河期を救ったのは、団塊のアイドル、スパイダース的な戦略だったですね。わたしだいぶ昔にこれを考えていて、中居くんはマチャアキの線を走るか、みたいなことを言っていたのですが、すっかりおりも政男です。(笑)
芸能界には、たまにひろみGOのようなバカソリューションの天才が現れますが、やっぱりスマップはそっちではないですからね。どちらかといえば庶民の感覚でしょう。なんとなく起こるべくして起こった感がわたしにはありますけどね。
ロスジェネは、10代後半〜20代前半の外的危機(不況)と内的危機(各種事件)を乗り越えて、大卒なら、10年前後、なんとなく乗り越えてきて、よくも悪くもパターン化した日常がある人が多いと思うんですよね。それはとても自然な日常とは言い難く、無理もあるし、だけど「こうすればなんとなくうまく日常は流れていく」という感覚は、掴んでいる。
それがこう、「それは続かないかもね」という、35歳前後に、そういわれている事件なんだとわたしは思ってですね。
良いか悪いかは自分次第ですが、個人的には、前年に事を起こしていて、10年続いた日常を壊したんですが、35歳前後って、なんとなくそういう時なんだと思う節が個人的には昔からあったみたいです。前の組織を飛び出した時に友人から「おまえ昔から35歳までに」って言ってたもんねって、言われて、「あれ、あたしそんなこと言ってましたっけ?」って自分で忘れてますけども(笑)、そんなこともあって、この事件はリンクします。
わたしの親世代の団塊の世代あたりを考えてみると、35歳前後というと、1980年前後ですね。わたしが前に書いた「時代がカラーポップ」になる時あたりです。劇的に社会が「カラーポップ」になっていくときに、やっぱりそのぐらいの年齢だったんでしょうね。
いや、毎年30代中盤を迎える人はワッといるわけですけども、だから逆に、このタイミングでこういう象徴的な事件が起こるというのは、やっぱり世代の山というのは、何らかあるんでしょうね。
スマップが今後どういう道筋を辿るのか、その本質は、世代的な、社会的な方向性と何らか絡み合っていくような「予感」だけはあります。
と思いながら、テレビの向こうの人の今後を温かく見守りたいところですね。
ところで余談ですが、キンキキッズの「硝子の少年」という歌がありますけど、アイドル氷河期をテレビ的に復権させたのはスマップだとすれば、音楽的にアイドル歌謡を氷河期から救ったのはそっちだったという認識です。あの曲がなければ、スマップは紅白のトリを取るところまでは、音楽的には行けなかったんじゃないかというのが私見ですが、それぐらいあの曲は商品として諸々見事だったと思います。
わたしは2000年前後は、70年代の日本のマイナーポップス群にものすごく惹かれて情報を集めていた時期なんですけども、きっかけは細野さん追っかけていたということと、この硝子の少年の「松本隆と山下達郎」という布陣にあったかもしれないとも思います。
それを追っかけていて思ってたのは、よくも悪くも80年以降に「カラーポップ」に結実していく、団塊世代の突破系ミュージシャン達の試行錯誤が詰まった70年代後半のその界隈の独特の面白さだったという話は前にも書いた記憶がありますが、硝子の少年は、冷え切ったアイドル歌謡の世界にブレイクスルーをもう一回起こしにやってきた、みたいな感じ。そのパワーが作品にあったように思います。
そこには過去の経験と技が下支えしたものがあったでしょう。80年代に結実した、団塊独立系ポップミュージシャンたちの30代中盤の突破がなければ、50歳前後の老練の技を披露することはそもそも出来なかった。
カッコ良いオトナ、になる必要はないけど、少なくともみっともないオトナ、にならないためには、この30代中盤のいまをサボらずにブレイクスルーを目指したいところですね。
公園でハダカになることはみっともないですけど、歳とってもっとみっともなくならないために、いま恥かいといた、みたいなこともあってよかろうと思うんですよ。(ま、まわりにかけた迷惑とか損失とか考えると、そんな悠長なこと言ってられませんけど)
40〜50になってから、オミズおねーちゃんに肩入れして身を持ち崩しちゃうみっともなさの前に、30代までで散々遊んでオミズおねーちゃんで失敗しとけ、みたいな感じで。(笑)
なんてブツクサと、この事件に思うのですが。