スクラップ&スクラップ

ミサイル騒ぎの中、土日は久しぶりにお休みだったので、富士山のほうに行ってみました。のん気なもんです。(苦笑)

それで、コドモを連れて富士山のフモトの有名な遊園地に行きました。わたし大きな遊園地にいくのは20年ぶり(花やしきはたまに行きます)、高校生の時デートして以来という感じですが、いろいろ観察してきました。

そこの遊園地は生まれて初めて行くのですけど、高度成長の時に建設されて、企業努力を重ねて今があるみたいで、その高度成長の頃のノスタルジーの雰囲気と今の感じが混在する雰囲気が、思った以上によかったですね。

まず駐車場は昭和で(松の木がたくさん生えちゃってる感じ)、駐車場から遊園地に向かって歩くと、遊園地に併設されている巨大ホテルが顔を出します。このホテルも外観が昭和。そのホテルの脇を通ると、遊園地の入り口があるんですけど、入り口にまずあるのはお土産屋。昭和的な、東京タワーにあるような、雑多でちょっと照明が暗い感じ。それを抜けると、チケット売り場があって、そこからだんだん今っぽくなってきます。

チケットを買ってゲートを抜けると、設備やモノの配置が昭和で、アトラクションは今風。もちろん昭和風のアトラクションで残っているものもありますけど、そこの遊園地は企業努力を欠かしませんから、メリーゴーランドとか定番を除けば、全部作りかえられちゃってますね。

つまり園の中で、スクラップ&ビルドが繰り返されているわけですね。

うちのコドモは小学生前なので、その遊園地の中に設置されている「幼児向けアトラクションランド」の一角で主に遊ぶのですけど、そこの一帯は10周年なんですって。
そこだけはディズニーランド的な、「テーマアミューズメントパーク」の感じです。そこに入ってしまうと、もう昭和のしの字も感じない。

といったようなことを感じながら、一日を過ごしました。

60年代から70年代にかけて、おそらく全国にたくさん作られた遊園地は、バブルの頃にほとんどが打撃を受けて、またはその前後に出てきたテーマパーク、アミューズメントパークというものに取って代わられたのでしょうから、その富士山の遊園地は稀なケースなんだと思いますが、その混在する感じ、好きですね。

しかし、その遊園地を取り巻く観光地の、いよいよこう息の根が止められる感、もひしひしと感じますね。昔、バブル崩壊直後の軽井沢に行って、その軽井沢の「夢の後」的な感じを文章にしたことがありましたけども、それ以上の感覚です。

今のETC割引なんてのも関係なく、高速道路も閑散としたものだし、観光地も人がいない。別荘系の建物が廃墟化しているのは、バブル後の軽井沢の時も一緒でしたけど、その後立てられたお店や宿泊施設も廃墟化していて、廃墟の2重構造になってました。(苦笑)

スクラップ&スクラップ。笑い事ではありませんけどね。都市の現実逃避として、日本の観光地は、その現実逃避者のハキダメ場所として機能してきた面もあったと思いますよ。それで問題になっているのの代表例は沖縄ですけどね。

今百貨店という業態が風前の灯火で、特に地方は空洞化をしてしまうので、大変です。ビルドするエネルギーが土地があればよいけれど、その観光地と一緒でスクラップになったまま放置されてしまいますからね。

ところで、ここで使っている「昭和」というのは、もちろんわたしが物心つく前の「カラーポップと白黒の間」の時期を言っていて、だから個人史的なノスタルジー、それこそ団塊の世代でいう「3丁目の夕日」とはちょっと違う感じだと思います。

もし団塊世代の「3丁目の夕日」になぞらえるのなら、わたしらはもうどっちかっていうとディズニーランド的なものになっていて、確か8歳の時にディズニーランドは出来ていたと思うので。

その富士山のふもとの遊園地が保持する、連続性、50年代後半から今まで、連綿といろんなものが積みあがってきたそのいびつさというか、それはノスタルジーとかではなくて、変容しながらも生き抜いてきたという、そう感じることが出来る場所、ですね。その遊園地は。面白かったですよ。その意味で。

あとヤンキー生息率が高いですね。久しぶりに見ました。
それもノスタルジー感覚に、一役買っていたとも思いますけども。(笑)