ブレッドアンドバター

というのは、70年代中盤に出てきた兄弟デュオですが、今日はその話ではありません。
しかし、このブレッドアンドバターの「ピンクシャドウ」という曲があるのですが、早すぎた渋谷系というか、アレンジ(はティンパンアレー)含めて、名曲ですね。春にぴったり。昨日も車でループで聞いてました。

最近お水ライブラリが、そういえば滞ってます。探しましたが、当時のままの音源がないですね。。

春なんで、休日は早く起きて、子供連れて近所のおいしいパン屋にできたてのパンを買いにいくんですよ。こう創作パンとかじゃなくて、コッペパンとか食パンとかですけどね。

わたしそれでふと思ったんですけど、住むと必ず、地元に愛されているおいしいパン屋というのを、血眼になって探す癖があるんですよね。パンとご飯どっちがスキかというとご飯なんですけどね。

でも、地元にいたときから、つまり中高生の時からそうなんですけど、家の近くにおいしいパン屋がないと、テンションが下がるんですよね。(笑)みなさんどうなんでしょうね。

最近はこうスーパーに必ずベーカリーが併設されている、という光景があるんですけど、スーパーのベーカリーってのは、わたしにはあんまり趣がなくて、例えそこがおいしいとしても、あまり行きません。

パンもケーキもそうですけど、子供に「あのね、こういうものはちゃんとこうやって作られるんだよ」というのを見ていただくために、手作りもしてみますが、ケーキは手作りは手作りなりのおいしさがあって、最近はもうケーキ屋でケーキを買うという選択肢がうちにはなくなっていますが、パンというのは、やっぱりこう、プロの職人の技には勝てないですね。

70歳の義母が面白いことを言っていて、わたしが子供とガヤガヤとケーキを作っていると、「わたしが若い頃の目標は、家にバニラエッセンスの香りのする家にしたかった」という淡い夢があったそうで、義母はパンやケーキは手作りをしたそうです。

それは、先日の世界の料理ショーの話ではないけど、専業主婦という職業が出来始めた時代に、アメリカンホームドラマを見て、目標にしたということでしょうけどもね。

その功罪というのは家族論ではよく語られることですが、わたしはなんにせよ、子供に「手間」を見せるというのは必要だと思うんですよね。だから、家でパンやケーキを作るときに「時間を作って一緒に子供と作ったか」ということが、大事なような気がするんです。まっ別にそれは、おもちゃでも漬け物でも、別にパンとケーキに限った話じゃないですけどね。

その義母の時代の前は、家事は大変で、電化製品もなくて、時間もなかった。家事が電化して、あまった時間を、例えばパンやケーキを焼くということに割くことが出来た幸運な専業主婦は、子供と、どこで手間を共有したか、という一点にわたしは功罪が分かれるような気がしています。

子供が家事をしない、上げ膳据え膳で学業に専念する、ということは豊かさの象徴だったのか、いずれにせよわたしの感覚ではよく分からない理路です。

これね、わたしは最終的には当時の家族の関係性があったと思うんですね。「おれは仕事、お前は家事」という圧力が夫からはあったはずだしね。まあ夫もそうならざるを得なかった当時の社会状況もあったんでしょう。モーレツに働くことが求められたし、なんにしても男が家事をするのはかっこ悪いとする「時代の気分」があったでしょうから。

それで、やっぱり多くの主婦は、その時代の気分に、機嫌が悪かった。機嫌が悪いから、「時間を作って子供と一緒に作る」なんて余裕は、生まれない。

パンとかケーキを焼くという「経済的余裕」と、子供と一緒に作るという「精神的余裕」。これは昔は、1セットだったんだと思うけど、そうではないよね、というのが、ストリートワイズの教えだと考えます。

見聞すると、今でも「おれは仕事が大変。おまえは愚痴をいうな」という父親、たくさんいますもんね。オンナの人が結婚に踏み切れない、または子供の出産に踏み切れない、要因のひとつだと思います。不思議なもので、それは「やってみないとわからない」ということをオンナの人がよく分かっていて、だから恋人の段階で、この人は絶対大丈夫、という確信はないそうですけどね。

こういう話って、結局そういう状況を承認した国が一番いけねえとかいうところに、突き詰めると行っちゃいますけども、ま、それはそれ。いまからはどうするべきなのか、を自分たちで考えて、編み出していくしか、ないですね。

それが先週金曜日にちょっと勢いつけて書いちゃった「生活思想」というものの見直しだと思うのですけどね。原因の本質は掴んでおいたほうがいいけど、そこから他責的にならずに、現実的に自分(たち)に何が出来るのかを考えることのほうが、生産的であるし、機嫌が良いということ。

パン屋って、なんていうか、生活のにおい、という現実的なものを感じる場所なんだけども、だけどこう機嫌がよい、という感じが好きなのかもしれませんね。

パン屋には、機嫌の悪いお客さんとかお店の人って、あまりいないと思っているのは、わたしだけでしょうかね。

パン屋で練るのは、小麦粉だけでは、ありません。(ストリートワイズ)

なんちゃって。