70年代初頭のコンパの風景

今やコンパというと「合コン」のイメージで、男女7人夏物語以降のドラマなんかによくある、男女が向かい合って席に座り、イタリアン食いながら自己紹介するっていう感じですか。

しかし、貧相なイメージですねって、わたし合コンって一回も経験したことないので、ご了承ください。
(人と仲良くなるためにご飯たべるときは、オミズはサシが基本です)

しかしこの「コンパ」というのは、今の「居酒屋」と同じ店のイチ形態だったという事実は、わたしらの世代では知っている人は少ないですね。円卓があって、真ん中にバーテンがいて、男女が入り乱れて円卓に座っている、という店の形態です。

当時カップルでも行ける店というのは、それしかなくて、わたしのメンターによると、そりゃ繁盛したそうですよ。わたしは前に両親から話だけ聞いていて、その業態については知ってしたのですけど、自由恋愛を謳歌する団塊世代のために作られた業態ですよね。

メンターによると、その後「コンパ」は「炉辺焼き」に変わり、70年代後半から「居酒屋」が登場してくるという流れですね。つぼ八村さ来みたいなのですね。

カップルで行ける飲み屋さん、に限らず、日本の風俗は流れをおっかけているだけでも面白いですけどね。

関係ないですけどわたし、5,6歳の頃に、家族で車で街を走っている時に「ノーパン喫茶」という看板が目に入って、ノーパン喫茶って何だ?と前の座席に座る両親に問うたところ「パンが置いてない喫茶店だ」という返答が帰ってきて、ほほお、そう切り返しますか、みたいなことを思ったのを覚えているんですよね。(たぶん知ってて聞いたかもしれません)

なぜか鮮明に、その時のことは覚えているのですが、今同じぐらいの年齢の長女に対して、わたしはその時どう振舞うんだろう、と考えますが、おそらくそのまま言うでしょうね。言って「それって変だよネエ」って笑い話にして終わるんでしょうかね。

タブー3S話(性、政治、宗教)については、わたしはやっぱり家庭でも、あえてする必要もないと思うんですけども、子供とはいえ、ご質問には真摯に答えたほうがいいと思ってますけどね。それは世代的なもんもあると思いますけどね。うちの両親、最大限に頭回して考えたんでしょうね。

今日はコンパのお話です。

今もサントリーバーとか、同じような形態の店が都内にも少しありますけどね。メンターは70年前後から3年ぐらいやってたそうですが、急激に流行りに陰りが出てきて、すぐに閉めて炉辺焼きに変更したそうです。(笑)

なぜ流行りに陰りが出たかといえば、まさにその時期にコンパで飲んでいた男女が結婚して、第二次ベビーブームでうちらが産まれるわけで、結婚して子供できたら、そりゃ行かなくなるわけですよ。流行りが廃れたというよりも、総体的にパイが減ったというだけの話ですね。

当時それに気づいて、団塊世代マーケットにくっつきながら、若者カップル向け、新婚向け、ファミリー向け、シニア向け、って団塊世代をおっかけてお店の業態変えていったら、それはそれでアイデアが続けば成り立ったでしょうね。(笑)そんなことを明確にやって成功したのは、結果的にやっぱりトヨタだけだったということなんでしょうかね。

肘鉄いつかはクラウンか、と。(小林旭
いま食らっているのは、肘鉄どころじゃないっていう話もありますね。(笑)