コダイナー教育論

昨日わらべ歌の話が出たので、教育系の話に飛びましょう。

わたしムスメ二人いますけど、育児書とか読まないし、早期教育とか興味ないんですけども(細野さんの入れ知恵ですけど、6歳6ヶ月までは芸事はやりませんし)こう他の家族とか見てると、物凄く熱心な方とかいらっしゃってます。

知っている方がどのぐらいいるか分かりませんが、「コダーイシステム」と「シュタイナー教育」ってのがあるそうです。コダーイってのは、ハンガリーの民謡音楽(わらべ歌)を軸に、音楽でコドモを情緒豊かに育てましょう、という感じのやつで、うちの奥方は、小さい頃たまたまその界隈の環境で育ったんだそうです。(中学のときに、当時まだ許可なしには入国できなかったハンガリーにも行ってるそうです)

一方シュタイナー教育ってのは密教神秘主義)から来ている教育論で、「感情教育」を軸にしていて、自由な教育ということを背景に、日本にも一部に熱狂的な信者がいるそうですが、そんなものです。

うちの奥方とはお互い忙しくてあまり会えない(お話できない)んですけど、先日お話する機会があって聞いたのは、自分の子供に限らず、めっきり幼児相手にするのが楽しいらしくて、せっかくだから幼児教育を極めたい(免許取りたい)、なんて言い出してます。自分が馴染んできた「コダーイシステム」と、まわりの奥様方からよく聞く「シュタイナー教育」、まあ感情教育という意味では同じようなことを言っている部分もおそらく多いんでしょうけど、いかんせんマイナーなジャンルなので、情報が少ないんです。

で、奥さん「よし、2つを比較考量して、「コダーイ+シュタイナー」で「コダイナー教育」っていう造語作って(笑)、いろいろ調査分析研究したらおもろいね、なんていうアホな話で盛り上がってました。ひとりで。

ニッチでいいですねって、本人には言って褒めときました。(笑)なんにせよ、情熱を傾けられるものがあることはいいことです。

感情教育って言葉にしてしまうと難しいですけど、要はコドモが安心して暮らせて、家の中はいつも機嫌が良くて、自分のまわりで起こることを肯定的に捉えられるようになっていればいいわけです。

そのために親が留意することはいくつかあるんだと思いますけど、ストリートワイズを意識して暮らしている身としては、別に普通に暮らすことと、何ら変わらないんじゃないかと、家に転がっていた(まわりの奥様方に押し付けられて借りてきた)その類の本ペラペラめくってみて、思います。

先日書いた「食の動作」と同じで、例えばそのずっと前のドラゴンボールに学ぶ習慣の大事さについて書いたときと同じで、やっぱり本読んで、そっか、コドモにはそうやって接しないといけないのか、なんて思ってやってみたって、相当パラダイムシフトしてないと、3日持ちませんよね。(笑)

だから、そういう意味で子育ては残酷でもあって、やっぱり親の力量を超える子供は、親の世界(地縁から断絶した核家族)だけでは、親がいくらがんばっても育たないと思います。というよりがんばればがんばるほど、結果は反転する、というか。

その意味で、本じゃなくて、今までの自分の知力を総動員する活動だと思います。この仕事は。だから面白い人には面白い。

福澤諭吉は、子供は7歳までは犬猫と一緒でよい(腹減ったらメシ食わせて、後はその辺走らせておけばよい)と言ってますが(笑)身体を作ることでよい、と言ってるわけです。

ペラペラめくったシュタイナー教育では、7歳までは「世の中は善で溢れている」と思わせることが大切だと書いてありました。

みんな同じこと言ってますよね。

つまり、生きるって楽しいなと思わせておけ、ということですけど、そう思わせるには、とどのつまり親自身が「生きてんのって楽しい」というオーラを出していればよい、ということです。

仕事で疲れてストレスで怒りっぽくなって、家庭内は被害者意識と他責の嵐だった家族が、本読んで、急に「生きてるのって楽しい」オーラが出せるなら、誰も悩まない。(笑)
もしそれを変えようと思ったら、チチは仕事環境を疲れず、楽しい状況にしないといけないし、ハハは社会に開いて利他的になる努力をしなければいけない。はっきりいって小手先ではなんともならない、内外合わせた家族成員の一大改革が必要ですよね。

「子育て」というジャンルの情報は、コドモをどうやって操作するかというより、親の自己啓発に近い情報が内容の大半を占めるんだと思います。

自己啓発系商品には元々あんまり近づかないんですけど、だから同様に育児書とか幼児教育関連にも、近づかないんでしょうね。今後も。


なぜかというと、自己啓発系の本って「ナビ」でしょう。余計な情報がない。わたしナビは嫌いなんですよね。(笑)タクシー乗って運転手がナビ動かすと興ざめするんですけど、やっぱり運ちゃん秘蔵の裏道ルートを楽しみにしているわけですので。

ナビゲーションシステムは自分で作るものであって、誰かから提供されるものではつまらない、と思うんです。「生きるのが楽しい」オーラは、ぽすともだん進行の今の時代だからコドモに与える必要があると同時に、今の時代だから「断片を集めて自分でルートを探る」ということこそ、「生きる楽しさ」なんじゃないかなと。

だから余計な情報満載の地図を買ってくるほうが、わたしには肌合いがよい。

さて、「コダイナー」って、今ググッても1件しかヒットしません。(なんかヒーローものに出てくる妖怪の名前であるみたいですけど(笑))

コダイナーっていう単語が2、3年後ぐらいに検索でひっかかってきたとしたら、その情報源は、うちの奥方だと思いますが、さてどうなることか。いい地図が出来上がるとよいですけど。まずは健闘を祈ります。