アウトロー5か条

先日、鈴木邦男さんの「蟹工船を読み解く」という本が面白そうだなと思って、まだ買ってませんが、それきっかけに久しぶりに鈴木さんのブログを見にいったのですが、そこで面白いものを発見しました。

アウトロー五箇条」という、雑誌「東京人」がまとめたものだそうです。

1、人間的スケールが大きいこと
(常識はずれの器の大きさだからこそ、法の枠内に納まりきれない)
2、自ら課した「掟」を守る
(自分をヒーローにしない。日陰の存在という恥じらいを持つ。法は犯しても決して仲間を裏切らない)
3、無欲恬淡
(金遣いはきれいに。しかもけちけちしない。名誉や権力を求めない。既存秩序の破壊に徹する)
4、時流にこびないヘソ曲がり
(流行に乗ればその途端、反逆は商品に堕落する)
5、反逆者たること
(反権力、反体制の意志こそが大切)

わたしにとってはストリートワイズに匹敵する発見ですが(笑)、うまくまとめているなと思います。

わたし自身は権力に追われたこともないし、司法に裁かれたこともありませんけども、感覚としては、この5か条に近いことを理想にして、生きていると思います。わたしがメンターとして慕う人々は、臭いメシを食った人も司法に裁かれた人も、おりますけどね。(苦笑)

でもそれに対抗して、だからわたしも一度はそれぐらいやらないとアウトローの仲間入りはできない、なんてことを考えてはいけません。それこそ、上記5か条の3の「名誉や権力を求めない」に抵触します。アウトローの名誉を求めるわけですので。(笑)

だから、ここは粛々と淡々と、昨日まで書いた「気分」に流されずに自分が信じる道を歩むということの意味で、この5か条、全てとはいきませんが、概ね賛同します。

気分の話に繋がることで書けば、5の「反権力・反体制の意志こそが大切」というくだりがあります。「意志」です。

わたし思うんですけど、「意志」を持つ、ということそのものが、既に「反権力」「反体制」なんじゃないかと思います。だってその権力や体制を維持繁栄させているものこそ「時代の気分」なわけですから。

みんな意志を持って、時には権力を支持し、時には権力にはむかう、いずれにせよそこに「意志」があればよい、のだと思うし、それは理想なんでしょうね。

ここで散々考察していた民主主義は、民衆ひとりひとりの意志を前提にしているけど、実際は「気分」が民主主義を支えている、だから問題がたくさん起こる。

少なくとも今は、気分があるから成り立つ商売もたくさんあるし、それで生活が成り立っている人も多勢です。だから、いまさら「意志を持て!」と熱く語ることは、しません。

ですけど、時代の気分に流されず、自分が気持ちいいこと(信じること)を、まわりと調和しながら粘り強く最後までやりぬく。それさえ実現できれば、生を真っ当した、という風に死ぬとき思えるだろうか、と。

それを結果的に「アウトロー」と言うのかどうかとは別に、わたしはこの5か条から、改めて考えました。