瀬戸内寂聴さんを偲ぶ~5月15日生まれの共通点~

瀬戸内寂聴さん追悼。ここにも何回か書いてると思いますけど、あたし誕生日一緒なんです。
 
5月15日生まれの有名人のこれまでの3大巨頭といえば、瀬戸内寂聴 美輪明宏伊丹十三ということだったんですけど、最近はKING GNUの常田さんが出てきて、世代交代、時代は流れたな、と感じます。
 
それらの人々には同じ誕生日の親近感があって、瀬戸内さんや美輪さんや伊丹さんの表現物には、追っかけるというほどではないにしろ折に触れて接してきました。
 
同じ誕生日の人間として感じる3人の共通点、そしてそれはもちろんあたしにも通底するところなんですけど、「脱権威」「徒党を組まない(人とつるまない)」「ジェンダーフリー」を3大共通点だと思っています。
 
脱権威と徒党を組まないは同じことなんですけど、権威にだらしなくすり寄るでもなく、頑なに対抗反発するでもなく、自分を(ささやかでも)インディペンデントとして自立させるにはどうすればよいかを考え続けるしなやかさを志向。
 
そしてそういったインディペンデント志向ゆえに、徒党を組むのを嫌うので、(色んな意味での)政治とは一線を置き、あらゆるしがらみから自由になることを希求。
 
立場が自由になれば思考も自由だから、ジェンダーフリー傾向になり、佇まいも男だか女だかよく分からない中性感となり(笑)、男、女、家族、組織(地位)、イズム(思想)、あらゆる「規範」から自由、自分で考えて自分の責任で表現することを至福とする。
 
と、こんなところが3人の共通点なのかなと思いますし、あたしも別に具体的に3人から教えてもらったわけではないですけど、偶然と同じようなことを希求しながらで生きているような気がします。ヌーの常田さんはまだ若いので、特に中性感ってのは少し時間かかると思いますけど(笑)、でもなんかそういう感じ、表現見てるとありますね。
 
もう3大巨頭でご存命は美輪さんのみになりました。こないだラジオでお声を聴きましたが、やはり年齢的に少し声も不安定になって(鶴ちゃんが真似する浦辺くめこや志村けんがデフォルメするおばあちゃんまでいかないけど(笑))年齢には勝てないんですけど、長生きしていただきたいです。
 
同じ誕生日の人たちの座談ということで購入しといた本をそのまま読んでいないことを訃報を聞いて思い出しまして、週末に読みました。瀬戸内さんと美輪さんの対談「ぴんぽんぱん ふたり話」という本で「ぴん・ぽん・ぱん」は「品・本・範」ということだそうですが、突き抜けた者同士の高次に展開される対談を理解するには、読者にもある程度の知識経験が必要であることを再認識させられ、これを知識経験がない状態でただ読みますと「何を言っているんだこのおじさんとおばさんは?」と、その存在を訝しがられるだけという、かなり高度な会話が展開されているので、万人にはとてもおすすめできない対談となっておりましたが、この年で詠むと、いろいろなことが腑に落ちます。今読んで良かった。
 
ご冥福をお祈りします。