ダフトパンクの解散に思ふーCMJKさんのブログを読んでー

昨日ダフトパンクの解散が発表されましたけど、この北川さん(CMJK)のブログはいいですね、と思って好事家向けシェア。やっぱり評論家より実務家の話ですね。(笑)

確かにダフトパンクが表に出てきた90年代中盤あたりは、もう市場が成熟に向かう4つ打ちオリジネーターは出てこない(つまり面白くない)という若気の至りで(苦笑)、次の前衛オリジンを探して、ドラムンベースエレクトロニカやポストロックやジャズ回帰、と目先を移していった感じがあたしにもあって、CMJKのこの実感は凄くよく分かるところです。

あたしは当時フランス人DJのローランガルニエのファンだったので、同じフランス産ということで、ダフトパンクは確か「DA FUNK」の12インチは買いましたけど、それ以降は全然(ていうか4つ打ちそのものが全然)だったので、再認識するのは「one more time」がラジオで良く流れてたゼロ年代以降の流れで、ムスメがpefume狂いになる2008年ぐらいに、Perfumeの作者の中田ヤスタカさんの雨あられのようなダフトパンクオマージュをムスメと一緒に聴き比べて楽しむといったところから、2013年の「get lucky」で、ファレルにナイルロジャース率いるブラックミュージック大御所プレイヤー使いで、MVではソウルトレインを再帰させるといった流れで、あたしもその頃ソウルバーに入り浸って60年代後半から80年代前半のダンスミュージックを掘りかえしまくっていた時期でもあったのでシンクロニシティ半端なく、大変愉しんだ、というのが「わたしとダフトパンク」です。

余談ですが、CMJK作品である90年代ジャパニーズアンダーグラウンドテクノの最高峰と呼んでよかろう「COLD SLEEP」(CT SCAN名義)は、実は山下達郎の「夏への扉」にインスパイアされて作ったものだということを数年前に北川さん本人の呟きで知りました。

元同僚の石野卓球さんも、10年ぐらいまえから山下達郎好きを公言して憚りませんが、どうもその90年代半ばの「時の前衛(と思っていたもの)」と、オーバーグラウンドの大衆音楽の既に権威となっていた達郎さんが、当時既に綿密に結びついていたということの奥の深さと世界の広さに眩暈がしたのでした。

確か日本共産党が綱領から「前衛」の表記を消すのが2000年。ソ連ベルリンの壁の崩壊から約10年でアバンギャルドという時空の捉え方は無くなっていくんですけど、そこで「one more time」がヒットするという、90年代まだ前衛や単純進歩史観の残り香があった時代に出てきて、次の時代がダフトパンクに宿った瞬間であって、エルヴィスプレスリーの「ハートブレイクホテル」とかビートルズの「抱きしめたい」みたいな
位置づけの曲なんでしょうね。(プレスリービートルズの前史(修行期)も相当面白いですけど))

その90年代のダフトパンクの前史、90年代の時代の空気から変遷するゼロ年代、を明らかにするという意味で、CMJKのブログは貴重じゃないでしょうか。

https://note.com/cmjk_0821/n/n4053a4e16eea