非常識な整理の仕方

悩みを人に相談するってのは、昨日の話からすると、忘れようと思っても忘れられないもの、無かったことにできないもの、という種類の「悩み」になるんだと思うんですけど、昔から相談事って割と多く受けるほうなのですが、年齢的なものか、時代的なものか、最近その種の、とても重い話が増えてきています。

それで最近特に新聞や雑誌の人生相談なんかを目にすると、つい読んじゃいます。

お悩み相談こそリード(誘導)力で、悩みを人に打ち明けるってことは、自我がオーバーフローしているわけですよね。散々自分で、「普通はこうだよな」とか「常識的に考えてこうだよな」とか、散々そういうことで自制したり無理やり解決させようとしたり、してきたんだと思うんですよね。

それでも悩みは消えずに、とうとう人に相談することになった。お悩み相談に来る人というのは、そういう状態なわけですよね。

だから、文化人とか著名人の回答で、改めて正論や常識で返しちゃうというのを見てると、うわー、仕事やっつけちゃったな(笑)と感じます。

仕事でもそうですけど、相手が追い詰められて相談をしてきた時点、またはもっと先のソリューションを求められた時点で、もはや常識や正論では片付かない事態になっているわけで、そうするともう、その話される内容から事実だけを抜き出して、その事実と真摯に向き合って、事実を整理してあげる、ということしか、出来ない。
昨日の話で言えば、この脱ぎチラされた服をどう整理してたんすにしまうか一緒に考える、というような状態なわけですかね。
そこで「普通ズボンはこういうたたみ方するだろ」とか、靴下は普通この小さい引き出しにしまうだろ」とか、そういうこと言っちゃダメだと思うんですけど、言っちゃう。なぜ言っちゃうかといえば、そのほうが楽だからですけどね。

飲み屋にいって、大概まわりでは、愚痴や相談といった話が展開されていることが特に最近多くて、だからあんまり席が密集しているところでは飲みたくないのですけど(雰囲気が引きずられちゃうからね)、聞こえもれてくる、その相談を受ける側の傲慢さっていうか、かっこつけてるだけで、全然相手の立場になってモノを考えてないというか、結局ソリューションじゃなくて、人の不幸を餌にして、自分の優位性を誇示してるだけだろって感じに辟易するんで、すぐに店変えちゃいますけどね。(笑)

当然、元をたどれば、悩みを相談する側の問題になるんですけど、もう相談を持ちかけられる段階で、そこから根源的に説教しても、何もコトは運ばないのですよね。だからタンスの整理の仕方を一緒に考える、その人を少なくても孤立させないようにする、ということでOKなんだとわたしは思っています。

いきなり話は飛びますが、オトコの聞き上手はただの女ったらしである、と言っているのは瀬戸内寂聴さんですけど、本質ですね。(笑)オンナノコの前でかっこつけたり権威ぶったりするオトコが色んな部分で「強い男」だということではなくて、謙虚にお話を聞いているオトコノコのほうが女ったらしだし、野心家だと思いますよ。

誰でしたっけね、「本当のエゴイストは、自分の主張を推してやまない人ではなくて、他人に利することにより、自分の利が最大化するということを熟知している人である」という言葉がありましたね。
お悩み相談は、真のオンナったらしの、真のエゴイストの本領発揮の場です。

だからつまり、そういう人の思うツボになりたくない人は、悩みは人に相談しない(なるべく自分で解決できるように鍛えておく)というのが第一弾なんでしょうけど、それだけでは窮屈で仕方ないですよね。

そういう人に弄ばれるってのもいい経験ですけどね。人間弄ばれてなんぼ、というのはサザン桑田さんの名言だそうで最近仕入れた情報ですが、オミズマインド発見です。

さて、今日も弄ばれに、街に出ます。
ってことで、今週もお疲れ様でした。