星野源「創造」における玉田豊夢さんの変態ドラムプレイに唸る

今朝ムスメから星野源の新曲「創造」が出てたよって聞いたのでいま聴いて、あれ、これドラム、いつものカースケさんじゃなくて玉田豊夢さんじゃないかと思ってクレジット見たら、やっぱりそうでした。
達郎さんも認める玉田さんのドラムプレイの変態ぶりが凄い。
 
あたしも随分大衆音楽史の中のリズム史みたいなものを観察してきたけど、戦前のジャズから2ビート→4ビート→8ビート→16ビート→32ビートと歌謡史が辿ってきて、音符と休符の制御や連符への切替えも含めて(いや、もちろん機械で後から編集している部分もあると思うけど)日本人が100メートル走10秒の壁を破るに近いものを見てる気がしますよ。笑
 
日本人は特に「歌」というものを特別視する、と言ったのは大瀧さんだけども、カラオケ文化は衰退しても、やはり歌オリエンテッドが抜け切れない日本の歌謡界において、こういう変態リズムがポップ領域で出てくることの感慨ってありますよね。25年前にエイフェックスツインやスクエアプッシャーやU-ZIQなんかの変態ブレイクビーツを浴びてきた人間としては特に。
おそらく星野源さんが歌唱そのものにあまり自信がないことが、
この曲に限らない、BPMの早さとかリズムの複雑さとか、そういうものに表れているという個人的背景もあるとは思いますけどね。
 
それで言えば、昔大瀧さんが船村徹さんとの対談で、村田英雄の「王将」のテンポの遅さ(重心の低さ)に言及して、森進一の「冬のリヴィエラ」で重心の低さに挑戦してみたけど、あのテンポが限界で、恐れ入りました、とそそくさと歌謡の世界から退散した、と語っていたことを思い出しました。
 
話は戻って、玉田さんってあたし同世代で、デジタルネイティブならぬ32ビートネイティブの石若駿さんみたいな天然の天才的な32ビート使いじゃなくて、きっと「およげげ!たいやきくん」の産湯から努力で来たんだろうけど笑、改めて敬意を表します。
 
これテレビやライブでの生演奏はできないんだろうあ。やるなら定点カメラで見てみたい。