混沌と要約の快楽

先週、ダラリさんがアンアンの「抱かれたい男」のキムタクの前人未踏の連覇と、それを選ばせ続ける女性について書いてますね。(http://ameblo.jp/dararhythm/entry-10144336292.html

私これ読んでて思うところがあって、前に「小悪魔の系譜学」というエントリを書いて(http://d.hatena.ne.jp/fraflo/20080730)、日本のヤンキー文化がわかりにくく潜在化していることについて書いたのですけど、キムタクって「ヤンキーの象徴」ですよね。だから、男のヤンキー象徴としての「キムタク」と、ヤンキーが惚れる女としての「工藤静香」のカップルって、ある意味必然ですね。それが必然だということが分かりにくくなっている。そもそもキムタクがヤンキーだということが記号的にわかりにくい、ってのが、現代社会の特徴でしょうか。

小泉純ちゃんが、政界を引退するとかいって騒いでますけど、彼が選挙で圧勝したとき、ヤンキーが好むものが装飾されていたことは、あまり誰も書きませんね。標語的な政策誘導とXJAPANの音楽が好きとか。(笑)
それをみんなが支持したんですけど、キムタクの支持と根源は同じだと私は思っています。

日本のヤンキー文化圏の多勢の強さを侮るなかれ。

さて、最近ここによく登場する小泉今日子さんは、所謂「脱ヤンキー」です。この「脱ヤンキー」ってとこに、なにやらシンパシーを感じるんでしょうか。。

ヤンキー文化圏になじもうとしてなじめなかった生、なじもうとせずに爪弾かれた生、ってのは、つまり日本では「マイノリティ」のひとつですけど、私のまわりなんかも、中卒、いじめられっこ、セックス・ドラッグ依存症、などなど(笑)、ヤンキー文化になじめなかったがために不遇にあったり、自滅したり、してきた人が多いわけですけど、それを克服して復活してきたプロセスが私の現在を支えている、というのは事実だし、それは「シェアリングの中身」というエントリ(http://d.hatena.ne.jp/fraflo/20080917)でも触れました。

その克服と達観を表現してくれる先達の皆さん、例えばキムタクのヤンキー説はナンシー関の論調ですけど、そういう人々に勇気ずけられたりしながら、生きてきたわけですね。(笑 大げさか)

最近は「社会的弱者」と称する人たちの反発が、世の中で出てきましたけど、その人たちが社会になじめず、或いは社会と戦えず、或いは社会と折り合えないのは、私みたいに「キムタク」を支持できないからなのか、それとももっと別の理由であるのか、よく分かりません。

よく分かりませんけど、「キムタクがずっと一位って変だ」とまわりが誰も言わないけど気づいて、なんで?どうしよっかと考えるのが「主体性」であるわけですね。「変だ」と気づくタイミングが遅いと、外堀を埋められて選択肢の無い状況に追い詰められて「どうする?」と言われて初めて声を上げるという。そこには何も主体性がない。社会に余裕のない状況では、このパターンって増えると思いますし、現実に多いですよね。

でもこれって自分ひとりで「気づいて」まわりと孤軍奮闘したり、逆に折り合いつけていくのは、至難の業だと思うんですよ。

ひとつだけ実感としていえることは、何か変だ、を共有できる人が「運」と「縁」があってなんとなく集まって、どこか励まし合いながら生きるんだと思うんですよ。くさい言葉だけれど、それは「仲間」として、精神的に、遠かれ近かれ、どこか支え合って生きる。それは「シェアリングの中身」(http://d.hatena.ne.jp/fraflo/20080917)でも書きましたけどね。

問題は、その関係が「継続」できるかどうか。

継続するには、何が必要なんでしょうかね?簡単にいうと自立しているか、ですけども、もっと分かりやすく言うとすれば、そういった人々との出会いや扶助の関係を「良かった」ことにするために、その人自身が、現在と未来に対してちゃんと生きること、ではないかと思うんですよ。

例えば、わたしがこうなったのは、あの人とあの過去があったからだ、を正とすると、逆にあの人がああなったのはわたし自身がこうだからだ、も正である、と。

それは孤独で絶望的で困難な作業ですけどね。やっぱり自分と相手は順位を逆にしたほうがよいように思いますよ。

自分がちゃんとすれば、相手もちゃんとして、その関係は「継続」される。

ですから、現時点で私が師や仲間や愛している人を評価断定し、逆に言えば、私がそういう人たちに評価断定されるのは、ですから死ぬまで、本当はあり得ない。そこに存在する「ある継続」こそが、人が前を向いて強さを身につけていく糧だと思うのだけどね。

状況の見えにくさ、ヤンキー、ロスジェネ運動、、孤独、絶望、小泉今日子、そして自立、仲間、可能性。ちょいっとここんところのサマリ的な内容になっちゃいましたが。。ただの手癖です。(笑)