時流適応と原理原則の綱引きが不易流行なのかどうかについて

あたしは20代で社会出てから同世代以下にあまり縁がなくて、年上とばっかり仕事したり付き合ってきたりしたので、性別問わず年下に特別なご縁があったことは、これまでに数度しかありません。

今回久しぶり、というか、仕事で20代中盤の人とご縁と出逢いがあり、いま色々一緒にコラボレーションしているんですけど、新鮮で、若さのエネルギーももらえますし(笑)、とても充実した出会いをいただきました。

それでその人がやっている仕事は時流に乗っている仕事なんですね。あたしはずっと、どっちかっていうと世の中の原理原則に触れるような仕事をしてきているので、磁石のプラスとマイナスのような関係なんです。
自分でずっと「不易流行」を謳ってきたのは、おそらくですけど、原理原則を追求する仕事ゆえ、時流適応を無視するとただの頑固おやじ(超保守)になってしまうという危機感があったからだと思うんですけどね。

先日、その26歳が企画書を持ってきたんです。一緒にうちのお客様に提案しませんか?と。こういう熱、素晴らしいですよね。それで中身読むとですね、「原理原則」の視点がまったく抜け落ちてるんですね。時流適応さえしておけば、企画は通りやすいと思って書かれている。それはでも、そういうことだけを是とする業界でずっと生きてきているので仕方ないんですけどね。

そこで上から目線にならないように丁重にアドバイスしたのは、企画のバランスとしての不易流行ですね。あたしは原理原則の側から時流を意識してきたのですが、彼は逆に、時流適応側から原理原則を意識する、それが双方「不易流行」として一致するという、そういうイメージですね。

世の中、とにかく承認欲求肥大で、時流適応しなければならないという風潮が極限に達した感がある時に、このようなコロナ禍になって、みんな仕事や生活の根源を揺さぶられて、何を大事にすればいいかがブレちゃう、大変な不安定さの中で生きることになるわけですけど、そこで(というかいつも)自分たちの原理原則はどこにあるのか、そこから離れずにやってきたので、このコロナ禍の中でも、大して揺さぶられることもなく今のところは経営も仕事も生活も送ることができている身としては(その代わり派手さもキラキラ感もないですけどね笑)今回いろいろ考えさせられるんですけどね。

そんな中で、26歳の彼との出逢いは、その大きく揺さぶられる社会の中で、彼のことを反対からあたしが綱を引っ張って心身を安定させる、一方のあたしも、コロナで時流適応に過剰に怯えるところを、反対から綱を引っ張って動きを軽くしてくれる、そんな関係性をもたらすのではないかと、密かに期待しています。いやもう、実利面としてはお互いに非常に大きな利益を双方にもたらせてくれているわけで、既に素敵なご縁と出逢いであったわけですけど。

あたし26歳ってちょうと20年前ですけど、20年前は2000年ですね。北新宿に寝床を確保して、毎夜歌舞伎町や大久保界隈をフラフラして、寝ずに仕事して稼いで、遊んで、毎日お祭りだった時代ですね。社会は石原都政となり、歌舞伎町が浄化されつつあり、大久保もその後韓流ブームで治安が一気に良くなる、その手前の時代でした。その時のあたしに46歳の友達はいなかったけど、もしいたら、そしてディープな街や遊びを教えてくれたら、どんなに楽しかったろうなあ、と想像しながら、その26歳と付き合うことにしています。

 

※ちなみに男の子ですよ。(笑)