ナゴムとメジャーフォース

この間、日刊イトイ新聞で面白いアンケート結果が載っていた。
「あなたは弱いですか?強いですか?」というアンケートである。結果はどうだったか。
まず年齢比で言うと、10代60代は「強い」と答える人が多い。これはよくわかる。10代は何も分かってないから、「強い」の意味が良く分かっていない。60代は、ある意味当然である。生き抜いてきたのであるから。

男女比ではどうか。男は20代30代40代で愕然と「強い」人がいなくなる。が、女性はあまり比率が落ちない。面白い結果です。

「強い」とは何か。僕は、「弱い」ということを認めることだと思うんです。これはマジ話として。「弱さ」を認めつつ、それでも前に進もうとすること、それが「強い」ということではないのか。そう思うのです。
若い時って弱いんですよ。弱さを認めないから。だから自分より弱い存在を痛めつけたり、今思うと焼身自殺したくなるような所業をたくさんしますよね。僕はしました。


さて、女性が「強い」と自己認識せざるを得ない社会背景はあるわけだけど、これはちょっと凄いな、と思いました。そこまで「弱さ」に停滞してしまう男と、強いと自己暗示をかけながらがんばる女性と。今の社会をよく表しているじゃない、というアンケートでした。

僕のまわりの多くの女性は、「それって絶対苦しいよ」という追い込みを自分にかけます。これって何だろうと思うんですよ。「正義、友情、勇気」のジャンプ的3バカイデオロギーで突き進む男と、大塚英志的に言うところの限りない自己の内側に迫っていこうとする70年代以降の少女マンガの世界を生きる女と、なんかその辺りのサブカル人間学ってアナガチバカに出来ないと僕は思ってるんですよね。サブカルにしか群がらないってのはアホですけども。30とか40とか過ぎて。いい加減飽きろよ。(笑)

そうそう、サブカル40歳といえば、電気グルーヴ×スチャダラパーのアルバム、聴きましたよ。相変わらずのリベラルでシニカルな雰囲気。40手前のシニカルさ、というのも何だか考え物ですけど(笑)、まあバブル世代なので許すとして、こういった音楽への向かい方をするってのは、もうこの世代までなんだろうなと思っちゃうんです。今はやりの、何だっけ?ケツメイシとか?オレンジレンジとか?聴いてないのであれですけど、やっぱり断層があるよなと思うんです。ルーツを辿れない音楽ってあるんですけど(特に日本では)ルーツを辿る努力をしない(出来ない)若者に支持される音楽ってのは、やっぱり関係性の中で捉えられない以上、それ以上のパワーって持てないんだよね。ポップス、で終わっちゃう。

電気グルーブスチャダラパーフリッパーズギターも、やっぱり出た当時ってそのルーツの出方のバラエティーさが、聴き手の好奇心を煽ったし、いろいろな楽しみ方が出来た。そういう楽しみ方って今してないもん。送り手は意識してたとしても、だよ。受け手はそうじゃない。

文化の歴史性、数珠つなぎ感が断絶された瞬間、その表象物は魅力を失っていくのじゃない。もっと好奇心、興味、何かないんかい!というぐらいの無気力ぶり、覇気のなさぶりなんだよな。ほんと。がんばれ男。女が強い、社会の流れになってますよね。ほんとに。

まあ、それだけ複雑化してるってことなんだけど。世の中が。