突破系ハイパフォーマーシュフ

なんでその10年前の「突破系」の話を最近思い出したかと申しますと、子供を通してあるシュフの方と知り合いました。その人は山口県というトーキョーからは随分距離のあるところのご出身で、身寄りもなく、大学進学と共に単身で出てきて、卒業して、トーキョーで正社員として働き、社内恋愛ではなく、誰でも知っている一流企業にお勤めのエンジニアと結婚し、2男をもうけて、ホテルみたいなマンションでニコニコ暮らしているという、まあハタから見れば完璧なシュフの方がいらっしゃるんですよ。

そんなことを聞きますと、わたしなんか、その主婦の女性の単身上京から現在に至るまでの自立への葛藤と努力に想像力が飛びます。そして凄いねえと、素直に感心して、相手にそれを伝えます。

それで旦那さんとは、どうやって知り合ったの?と聞きますと、「ツーリングクラブ」だったらしいんですね。
それで、ああ「突破系」かと、その時にピンと来たんです。それで思い出したんですね。言葉を。

トーキョーネイティブの「都市的な振る舞い=民主主義的な自立の態度」を地方の人間が獲得する難しさを、ここでは過去何回か書いてきましたが、このシュフも、おそらく傍目にはニコニコとやってきたのでしょうけど、その裏には大胆で緻密な人生戦略、つまり明確な目的意識と想像力と行動力が必要だったはずです。(って本人に言ったら、そおなのお、出てきた3年ぐらいホームシックで、もう大変だったわあ。分かってくれる人がいてうれしいわ、と申しておりました。)

シュフというのは子供の世界を通じて繋がりを始めていきます。子供をきっかけにして作られる主婦の集団というのは、ビジネスの集団と決定的に違うことがあります。それは「利害関係が薄い」ということです。

利害関係が薄い関係性で、関係を維持継続発展するために必要なのは、まさに民主主義的自立の振る舞い、なんです。自分の善意を、いかにいやらしくなく、または臆することなく相手に自然に差し出すことができるか。それによってその場や集団の変容を明確にイメージできるか。この能力が、実はハイパフォーマーシュフの真髄ではないかとわたしは考えます。そのによって利害関係の薄い集団や場が前に駆動して、物事が前に動くですからね。

だけど、そんなことは「民主主義的自立」を達成している人にしか、出来ません。出来ないので、民主主義的自立を達成なさっていないシュフの方々は、民主主義的自立を達成していないビジネスマンの集団と同じで「派閥」というものを作りたがります。派閥を作ればリーダーがいて、そこについていけばいいから、自立してなくて良くて楽だからですね。で、派閥同士の争いということをやって、利害関係を発生させて物語をたくさん作って、暇をつぶすという(笑)、そういうことです。

暇ですね。

好きなタイプは「自立しているオンナ」と言う男の子がいます。わたしもそうです。そうですけど自立っていうのは経済的自立だけを指す言葉じゃないんですね。この「民主主義的自立」つまり精神の自立(無類であること)こそ「自立しているオンナ」の意味です。特に、オンナの子が結婚してシュフになるならば、実はその後の子供の立ち居振る舞いに与える影響や、地域で「過ごしやすい」状況を作れるかどうかとか、ま、家庭の不安定要素をどれだけ排除できるのか、ということに決定的に重要なファクターになってくるんだと思います。

バイクが好き=突破系という単純な図式で、その人を民主主義的な自立を達成している人なのだなと理解できた例は、私が記憶にある中では、サンプルは上述のシュフただ一人なのですが(笑)、なんとなく、オンナの人で「ヤンキー文化系ではなくて」バイクが好きで乗る、という人にぶつかった場合は、ほぼこの図式で理解していいんじゃないかと思ってます。

偏見とかでなくて、相手理解を早めるための、ひとつの材料、仮説ですけどね。でも面白い仮説かなとは思いました。
男が婚活するなら、料理教室じゃなくて、ツーリングクラブに入るべし、とかってね。アホらし(笑)