吉祥寺ミクスチャー

吉祥寺というのは、新宿からの中央線カルチャー、渋谷からの井の頭線カルチャーの交差点として位置しているので、とてもおもろい街の作りをしていますよね。

駅の中央口側には、古くからのアーケード商店街があって、それを挟むようにして両極に百貨店(近鉄と東急)が昔はあって、近鉄の裏は、歓楽街(フーゾクとラブホとクラブ)、東急の裏は店点在型ストリート(中目黒や代官山的的な)となっていて、商店街の入り口脇には、新宿系の路地裏ひしめき飲食店街、がある。
駅の公園口側には、新宿系ごちゃごちゃ飲食店街を抜けると丸井がデーンとあって、丸井の裏は、東急の裏と同じ中目黒代官山な感じになって、井の頭公園が終点。

駅のまわりは、そんな感じで、少し離れると閑静な住宅街が広がるという感じですね。

うちから車だと2,30分なんですけど、駅に向かって走っていると、唐突に繁華街がやってくる感じが、とても印象深いです。

わたしは自分を「セッソウがない」オミズマインドとして規定して、セッソウがないことをどう強みにして生きていくか、ということを考えているわけですけども、吉祥寺の、この新宿系と渋谷系を併せ持ったセッソウのなさというのは、どちらかといえば、だから好意的に受け止めます。

これはやっぱり、新宿からの人の流れと渋谷からの人の流れが、吉祥寺で一旦止まる、ということがとても大きいんだと思います。

そういう意味で言えば、最近埼京線が延びたり、湘南新宿ライナーとか出来て、池袋−新宿ー渋谷ー恵比寿と繋がるラインは、山の手線でなくてもいけるようになって、山の手線のその区間の人の流れは随分変わったと思いますけど、そうすると街も変わっていくんですよね。そういうのは見てるとおもろいです。

吉祥寺って、70年代から伝説のライブとか記事で見たり、どっちかというと「新宿寄り」の雰囲気。わたしはリアルタイムではないですけど、荻窪や下北沢にあったロフト〈今は新宿もプラスワン以外なくなっちゃったですけどね)、その後の渋谷文化ののし上がりによって、新宿的なものが変化していくのだけど、決して一色でなく、その土地土地の個性ができてくる。その新宿的なものと渋谷的なものの化学反応というか、80年代から90年代にかけて変化してきた様子というのは、リアルタイムでもあったし、とても面白いなと個人的には思ってんですね。

で、昨日の話に戻って、「何故に今吉祥寺が一番人気なのか」は、そのミクスチャーバランスの良さというか、駅を中心に元近鉄(今ヤマダ電機)、東急、丸井という三角形の内と外で展開される半径1キロから2キロぐらいの範囲の混沌の魅力にあって、欲しいなと。(笑)

土曜日の昼過ぎ。公園口近くの、どう見ても昭和40年代そのままの都内での最古の(はずの)雰囲気のルノアールで待ち合わせをして、個人商店のおしゃれな洋服屋や雑貨屋を見ながら、井の頭公園に到着。昼飯代わりに伊勢屋でサッポロラガーとやきとんを擦り切れたたたみ座敷で食い、公園を散歩してボーっとして、時は夕方。駅に戻り、中央口の路地裏のハウスが流れる立ち飲み屋でワインをのみ、東急の裏手に出て、レコード屋ヴィレッジバンガードでブツを漁り、小さなダイニングバーで創作料理とビールで談笑し、11時になったらクラブへおでかけ。朝方まで踊ったら、目の前のラブホで仮眠をとり、朝10時まで爆睡。起きてまたプラプラしながら東急の裏に戻り、武蔵野文庫という喫茶店でイタリアンローストのコーヒーと絶品のカレーを食い、午後1時、家路につく。

私が吉祥寺で前に実際にやったことがある、土日のタイムテーブルです。これを半径2キロで全て出来る街、セッソウのない我々には便利な街です。