ニコニコクール

昨日「おめでたさ」にまつわることについて書きましたが、おめでたい、の逆は「クール」です。

クールさを巡る問題、というのは、結構わたしの中では大きくて、クールを巡る問題を考えていると、過去「かっこよい」と思ってきたものの遍歴がよく分かっておもしろい、ということはいえます。

これは個人的なものなのか、世代的なものなのか、時代的なものなのか、地域的なものなのか、よく分からないのですけどね。

自分が物心ついてからの「かっこよい」と感じるものの遍歴を「クール」を基点に考えてみれば

0、ニコニコ、おめでたいもの(子供が喜ぶもの)

1、おれクール、というとんがりを表明するもの

2、アンチ「おれクール、というとんがりを表明しているもの」

3、「とんがりを表明することそのものが嫌だ」とおもうクールさをもつもの

4、そのクールさに「味」が追加されたもの(再発見含む)

(「とんがり」って言葉、自分で笑っちゃいましたが。)

例えば1、は逸脱系(不良と呼ばれたもの)、例えば2は中学校や高校のときの脱力系少数派意識のもの、例えば3は多くの匿名のクラブミュージックのレコードたち、例えば4は細野晴臣さん再発見後の2000年前後からの、このブログのオミズライブラリ群のようなもの。

以上がわたしの「かっこよさ」の遍歴です。

そして今ですけど、

5、「(クールを超えた)自然にニコニコ」なもの

なんですよね。

先日見たチンドン屋さん、なんかもそんな部類かなあ、と思いました。なにすかしてんねん、っていう。でも、おれも昔はすかしてたよ、というのが裏にある感じ。

30過ぎてから、0に戻ってきました。クールさを巡って一周して、戻ってきて地層が重なったニコニコな状態。
それを「ニコニコクール」と言うとすると、それが持つ「一歩先に出ている自立」という感じが、よいのでしょうかね。
「ニコニコクール」は、ストリートワイズで言うところの「毎日いかに機嫌よく暮らすか」について考えること、そのものですけどね。

このブログで3、4年前に書いていて、生活のテーマにしていた
「クール、クレバー、タフネス」
という言葉があるんですけど、今だいぶ変わってまして
「ニコニコ、バカ、タフネス」って。(笑)

「バカ」という言葉の使い方が難しいんですけどね。(詳しくは「バカというソリューション」記事参照)

例えばわたし、「ニコニコ、バカ」にシフトしてから、風邪引いたことないんですが、だから「バカは風邪ひかない」っていう言葉を使うと、だいたい「バカ」の本質は理解されません。

「バカは風邪引かない」の「バカ」は、バカという言葉から連想されるパブリックイメージ、つまり「道化」とか「茶化し」とか、そういうものとは違う「バカ」です。

どっちかっていうと、細川たかしのデビュー曲「心のこり」の「わたしバカよねぇ」に近い「バカ」です。(笑)

日本語って難しいですね。