リズムマネジメント

「リスク」じゃなくて「リズム」の管理、です。

巷ではよく「結婚してる人ってしっかりしてて、心が安定しているわよね」といった言説があります。
前から思っていたのですけど、これって的外れではないけど、字面で捉えてしまうと大変な「偏見」になってしまうよね、と思っていました。

で、何故安定しているかというと「背負うものが出来て、しっかりしないといけないから」といった解釈の仕方をすると思うんですけどね。わたしは一妻2子がある身として言いますと、これって違うと思っていて、もっと原理的だと思います。

そこで「リズム」です。

私家庭を持つことで生活が「ルーティン化」する部分が増えたんですよね。一定のリズムで朝起きる。「おはよう」となるべく笑顔で言う、とかね。それを自己強制するだけで、日常で何が起ころうと、実は心は安定する。それは体験です。

一日全部をルーティン化してしまうと窮屈でたまらないので、朝起きる時間と「起きて仕事する態勢になるまで」をルーティン化してますけども、このブログも、そのルーティンの「ついでの」ひとつです。

リズムの大事さって昔から気になっていて、音楽でもリズムを大切に扱ってない、とか深く考えてない、とかってものは基本的に信頼していない節は昔からありました。

リズム隊のしっかりしているバンドが、いかに多様な表現を可能にするか、それは過去、筋肉少女帯レピッシュを書いた時、または坂田学さんについて書いた時に書きましたけど(「ダイナミックかつ繊細なリズム考」(http://d.hatena.ne.jp/fraflo/20050605))、先週画像をライブラリに加えたソウルコフィングなんかもそうですね。

彼らのライブを見て一番驚いた、というか「ここまで考えているのかな」と思ったのは、ベースがウッドベースなんですけど、ドラムのバスドラが、普通のロックでは使わないバスドラム(へヴィメタ系が使うような口径の大きいもの)を使っていたことでした。

生音で「トントン」ではなくて「ドンドン」なんですけど(そしてそれを鳴らし切るには技術がかなり要るんですけど)、おそらく「如何に生だけど低音にこだわるか」「リズムの輪郭(主張)をいかにハッキリさせるか」というダンスミュージックのメンタリティを踏襲したロックバンド、みたいな感じだったですかね。ソウルコフィングは、ギターのリフも含めて、「リズムに向き合う態度がよい」バンドだったと思います。

「リズムに向き合う態度」、生活でも同じ気遣いが必要かなと思っています。

「結婚=生活の安定=自由を縛る」といった社会に流布する結婚へのイメージは「既婚者は、背負うものがあって安定している」ということと同じで、微差ですけど、重要な「誤ったズレ」なんじゃないかとわたしは思います。

しつこく書きますけど、リズムの安定は「生活の安定」ではなく、あくまで「生の安定」です。

「リズム」って溶け込んでしまうものだから地味なんですよね。地味なことは、最近はあまり誰も言いたがらないし、したがらないから、あまりリズムそのもののの重要性を語っているのが少ないですよね。

そういえば「あなたが変わる10の習慣」とか、そういう類のハウツー本ってありますね。ああいう類のものって「生活のリズムが大切ですよ」ということが本質のメッセージなんですけど、本のつくりが押し付けがましくて「8ビート刻みなさい」とか「ディスコビートで生活したほうがいいわよ」とか、そこまで言っちゃってるんで、うざいわけですね。(笑)

4でも8でも16でも、ハウスでもヒップホップでもダブでもいいじゃないすかね。いずれにせよ、「自分の心地よいリズム」が、それぞれあるわけなので。

リズムマネジメント、ばかにしちゃいけません。