第二周辺の心象

アナザーフロアより。

最近は東京ひとり勝ちの地方格差が進んでいる、というお話がありますが、都市部「周辺」の心理、って微妙だなと思うんですよね。東京への潜在的カウンターカルチャーとして、札幌とか仙台とか名古屋とか大阪とか福岡とかってありますけど、それぞれの都市の内部で育ったか、その周辺部で育ったか、では精神構造がだいぶ違うように思うんです。

例えば東京と周辺という風に考えると、埼玉千葉神奈川の東京寄り(通勤圏内)というのを「第一周辺」通勤圏外や北関東全体を第二周辺だとここで規定すると「第2周辺」地域の人の精神は、特に微妙だなと思います。わたしは第二周辺の精神構造を持つ人間ですから、よく分かりますね。

こういうお話があって、ですね。
わたしが育った地域では、「新宅(しんたく)」っていう言葉があるんですよ。明治以降は「跡取り」と「跡取り以外」つまり長男と長男以外というのは明確な格差があって、長男以外は生活を保障しない、というような風習が特に農家なんかではあってですね。そういう人たちが地方から都市にきて労働を支えてきたんですね。

しかし東京の第二周辺というのは、産業的に東京の恩恵も直接受けられる距離だし、そもそもすぐ「帰れる」という事実があるので、「都市で生き抜かなきゃ」という決意が弱いんですね。親も子も鬼になりきれない。(笑)で何が起きるかというと、長男とは別に敷地内に家を作ってあげて、長男以外も家で囲う、という現象が出てくるんですね。その別宅を「新宅」と言うと。(笑)遠方の「地方」や東京のカウンターとしての「地方」とは、覚悟の度合いが違うんですかね。

ま、今は交通機関の発達もありますから、だいぶ精神構造は変化してくると思いますけど。

で、話は大きくなりますが、いままでのアメリカに対する日本も「第二周辺」の精神構造だと思うんですよ。仲間に入れてもらえるかどうか、距離がいつも微妙なところにいて、独自に「カウンター」としては存在しきれないから、仲間に入れて欲しいと対象(アメリカ)に対して思い入れが強い、と。(笑)

今の首相は福岡の人でしたっけ?考えてみるに、第二周辺(北関東)出身で過去自民党の大物政治家は多いでしょ。総理大臣も多く排出している。最近つかまっちゃう人も多いですけど(笑)、これは「第二周辺」の精神構造の写しなんですよね。アメリカに対する日本、中央に対する第二周辺。だから、時流としては、北関東政治家が自民党を引っ張って国を先導してきたのは、まあそういった意味じゃ当然か、とわたしは思いますけど。

一方「第二周辺」が生んできた「上昇志向カルチャー」って結構あって、それはヤンキーを含む大文化圏になっていて、日本の経済を底支えしている、のも事実ですね。

わたし奥方が東京の人間なので、毎日そのコントラストは感じながら生きてますけどね。(笑)フラットさではとても敵いません。

いきなり野球の話ですけど、今年も日本のプロ野球界から、メジャー挑戦者が出るのか知りませんけど、メジャーに挑戦する日本人って「第二周辺の精神構造」だなと、毎年この時期になると、そのニュースにシンパシーを感じますね。(笑)