おんなオザキ

昨日、帰宅途中にホームで電車を待っていたら。4人組のサラリーマン風の人たちが私の後ろに並びました。
だいぶ酔っ払っていましたけど、酔って気が大きくなっているのか、周りに聞こえるように大声で歌を歌っています。

歌の題名は、「アイラブユー」、尾崎豊の歌でした。(笑
しかも、1フレーズずつ、4人で替わりばんこです。みんな気持ちが入った声で気持ち良さそうに歌ってました。自信あるんでしょうね。途中からは身振りも加えての大合唱。。いいもん見ました。

サラリーマンが出世するには必須のアイテムとして「車好き、ギャンブル好き、スポーツ好き(ゴルフと野球)メッセージソング好き(その前は演歌ですけど)」って勝手に定義しますけど、あると思います。「根がオミズ」の人たちからすると、反転して「キラーアイテム」になるんですが。

わたしは「キラーアイテム」の立ち位置でそれらの話題と関わってきたのですけど、その身体も心も酔い痴れている4人組を見ながら、「メッセージソング」についてふと考えました。

「それでもわたしは強く生きていくわ」と歌った浜崎あゆみに女の子が熱狂して、そうだわたしも強く生きなきゃといって小悪魔カルチャーに発展していったんでしょうか。でも小悪魔のみなさん、確かに強い人多いですね。
男へのメッセージソングってのは、そのあたりとはちょっと位置関係が違うかもしれないですけど、でも今の「弱体化した野郎ども」にとって、尾崎や長渕が果たす役割って、また大きくなってんのかなあって、その光景見てて思いました。

音楽そのものを好んで、歌詞表現は邪魔だなと育ってきた人間にとっては、メッセージソング周辺に漂う、「音楽」でなく「音楽家の生き方=歌詞」を「崇拝」する空気に違和があって、その辺りの音楽そのものが好きとか嫌いとかとは、別の論理です。

いずれにせよ「真剣になりきって歌う」「感情移入する」には、「音楽家の生き方」に「崇拝」しないと無理です。カラオケ印税、すごいんだと思いますよ。メッセージソンガーって。

「感情移入できる」崇拝対象の等身大のメッセージソンガーの登場って、いつからだったんでしょうね。男は60年代後半の関西フォークに始まって岡林信康で一時ピーク、吉田拓郎で一般化して浜省−長渕−尾崎って系譜でしょうけど、女の人はどうなんだろうなあ。。まあフォークが発祥で、恋愛等身大の系譜はユーミンから始まってどんどん続きますけど、「生き方そのもの」を歌う系譜としては、浜崎あゆみまで実はいなかったんじゃないかって思ったんですけど、どうでもいいですね。(笑

そう考える過程で、ふっと「橘いずみ」ってのを思い出したんですけど、一般的知名度がおそらく低いのと、絶対に浜崎あゆみ橘いずみに影響を受けていないはずなので(笑)系譜にならないと判断して、却下されました。