平成デモクラシー

椎名林檎の歌の題名みたいですけど。

いつも考えて書いていることの基本概念って、別に新しい概念でも何でもなくて、言い換えれば少し強烈な民主主義のことで、主権在民、個人としての自立、ただそれだけのことなんだよね、ということを昨日一緒にご飯食べた友達の女の子に質問されて、そうお答えしました。

現代の日本は、体面上は資本主義と民主主義というふたつの柱で構成されている社会です。企業が資本主義を支え、政治が民主主義を支える。それはアメリカから輸入された社会システムですけども、最近アメリカ人がその仕組みに耐久年数がきたと言って、嘆いていますし、大統領選挙の争点も、そのあたりですかね。

日本は戦後、民主主義教育でしたけど、ある意味戦前から引き継がれた全体主義で資本主義を支えて空前の高度成長をした。それでも民主主義を教育されてきた子供は、全体主義的資本主義の成長後の世界で、「資本主義者」つまり消費者としては生きれるけど、民主主義者としては生きれずに、諸処様々な事件や問題が今も起こっていると、そんな感じで強引にまとめますけど(笑)、そういうことと理解しています。
だって民主主義は教科書の中のことで、「資本主義者」つまり消費者のお手本はたくさんいたけど、「民主主義者」の生きたお手本は身近にほとんどいなかったでしょう?

わたしは大学を出て働き始めて5年ぐらいで会社のマネジメントに顔を出すようになったのですが、その辺りから会社の行動軸となる資本主義の今のあり方に、違和感を感じるようになりました。

新聞でもたくさん発覚した粉飾決算や偽装なんちゃらみたいな、大概の企業体は、無理して、しかもさして意味も理由のなくの拡大成長路線、その為にかっこをつける嘘や欺瞞の数々、魅惑的だけど空虚な将来像、会社が目指すもの、守ろうとしているものの正体は、実はそんなに大層なものなのかしら?その誰も疑わない「当たり前の前提」で動く感じのいやさってあったんですよね。27,8歳ぐらいでしたかね。

しかも会社を動かすのは、教科書上の「戦後民主主義」教育しか受けていない経営者。だから会社を民主的に運営しようとはするけど、教科書で習った程度なので、みんなの意見をとりあえず聞いて、みたいな。(笑)資本主義の下品さ傲慢さと徹底しない民主主義の中途半端さのMIXは不健康そのものです。

それは会社の中だけではなくて、社会全体で資本主義と民主主義は今は両立しない時代に、残念ながらなっています。お互い都合のいいときに「資本主義」と「民主主義」が顔を出し、問題を薄めあう。資本主義ルールで行き過ぎがあれば民主主義者で糾弾して、民主主義ルールが邪魔になれば、資本主義者ぶって民主主義は切り捨てる。

昨今の環境問題なんかで「地球温暖化断固阻止!」「でも車を乗るのは止めない」みたいなことそのものと、それへの批判なんかは、分かりやすい例ですかね。(笑)

会社の会議なんかも、その最もたるものですよねえ。
私は、15人の老若男女の部門を一年間率いたとき、全体会議って一回もしませんでした。(笑)だって意味がないから。今の「超」資本主義では、資本主義ルールが分かる人が物事を進めないとどうしようもない(スピードが追いつかない)世相だし、そもそもチームの人々も「民主的決議」なんて初めから要求してないので。(笑)一番大事なのは、その時の指導者の「はっきりした態度」、有責者が何を一番大切にするのか、の軸の問題です。

自信がないし、責任はなるべくとりたくない。会議はだから長くなるのが常ですけど、それでいいのか民主主義は!と息巻いてはいけません。そんなものです。

おそらく資本主義というのは、資源の問題や世の中のパイの問題で、限界にぶつかるでしょう。世界を席巻した資本主義の成功に民主主義は不可欠だった、つまり必要条件だったはずですが、資本主義は民主主義に御礼も言わずに、勝手に一本立ちしちゃいました。(笑)取り残された民主主義は、資本主義に擦り寄り(今の政治だね)、または「民主主義」っていう言葉だけが残され形骸化して伝えられ、ここでこうやって私的な日記ブログなんかで、民主主義ってなんだっけなと反芻するような事態になってるわけなんですけど。

結局、多くの人は「民主主義」が実感としてよく分からない間にグローバリズムで追い詰められちゃう。ここで書いていることのほとんどはそのレポートで、ただの現実だと思うんです。元々民主主義なんて日本には無かった、と言えばその通りで、だから別に嘆いたりしちゃいけないのだし、じゃあ民主主義は「絶対的にいいもの」なのかといったら分からないわけですね。

別に資本主義が嫌いなわけじゃないんですよ。だから、共産主義者でも社会主義者でも私はありません。今も資本主義ルールに則った企業活動は、たぶん普通の人より旺盛にしているし、内的に民主主義的自立心は大切にしながら、外的には資本主義のルールの中で動いて、淡々とお金は稼ぐ、です。(笑)

個人も企業もこれからどこに向けて活動させたらいいだろう?ポスト資本主義は何か?具体的にはまだよく見えてないけれど、民主主義ってやっぱり優秀な制度だと思うから、いずれにせよ、とりあえず民主主義的なものによって支えられる制度であって欲しいっていうのが、私の現状の政治的態度なんだな、とか最近そんなアホなことを(笑)、考えて動いております。