女の子の育て方

ずーっと前のエントリで、最近は男の子の元気がなくて一緒に遊んでいても面白くないので女の子とばっかり遊んできたし今もそうです、と書いたような気がしますが、その状態は現在も相変わらず続きます。

逆に、男の子は世の中の厳しさに耐えかねて僕のまわりでは老若問わず、心を病んだり身体を病んだりしててなんだかなって思います。っという僕も、見る人が見ると病んでるそうですけども。

それでも、女の子と時間を共有できる場が多い分、たぶん元気なんだろうなって思います。こういう世の中では女が強い。女帝論だって、僕はアリだと思ってます。(笑)

僕は中学生の頃から、男の子より女の子と遊ぶほうが多かった。平日の放課後は男の子と遊ぶけど、週末は女の子と遊ぶ。遊ぶといっても、話すだけ。いろんなことをペラペラ話す。それのなんと楽しかったことか。今思えば、こういう時代をかろうじて生きていくための中学生ながらの無意識の先見防衛策だったんじゃないかと思えるほど、その環境に助けられてます。

ここでいう「男の子」っていうのは、なーんにも考えずにヘーコラ生きてる野郎とか、かっこだけつけて何かあるとすぐ逃げる野郎とか、そういう人はそもそも「病んだり」しないので(笑)、そうではなくて、ここで言う男の子は「てめえの正義や真理を求めて彷徨う系」のマゾ的自己上昇志向の子達を指してます。

この間出版されたM2の対談本で宮台真司が自分を評して「ほっとくとセックス漬けになっちゃう弱い人間なので防衛策を張りめぐらす」と言っていたけど僕もそうで、ほっとくとセックスドラッグロケンロールな状態になる「弱体快楽主義者」なので、人生防衛のひとつとして「真理探究」ってのが課せられているのかもしれません。

「真理探求者」は、自分の座標軸となる「真理」を探究することが生きる目的なので、どんなことをしていても(仕事も趣味も)自分を見失ったり、意味なし「浪費」生活をせず、時代や自分の状況をよく見て、自分の立ち居振る舞いを主体的に決めていくことができる人のことです。どん詰まりでも、たぶんなんとか立て直す。

勿論「真理」は「ある」ものだというバカ楽観はしない。基本的に、仏教風に言うと世は「無常」で「無情」だということはわかっている。わかりつつも、なお追い求めるというマゾっぷりが大切なんだな。(笑)

でも今はね、それは「男の子」に限らず女の子だって求めてる人は求めてる。そういう女の子はたくさん苦労もしてきて奥深くて、たいていの男は寄り付かない。(笑)

ここで思うのです。うちの女の子2人をこれからどういう方向性に育ててゆくか。

この間、適齢期はトウに過ぎた女史とお話をしていて、「いい結婚とは?」「いい男とは?」「いい女とは?」という話をワインがぶがぶ飲みながら話していたんですね。本当にね、悩んでいるんですよ。ひとりでいる覚悟もそろそろしなきゃということも含めて。
「そのうちきっといい出会いがあるよ」っていう定石の返答はあるにはあるんだけど、その言葉が気休めにもならないような状況ってのは、もうすぐそこにあるって気がしてます。

例えば「真理探究」を自分に課している女の子と、そうではなくて男の子の真理探究を脇で支えたり助けたりしたい!っていう女の子と2通りいるとして、その女史は後者になるんだけれどもね。
じゃあ今の時代って、そんな「真理探究型=いい男」のそばにいるにしても相当な苦しみを共有しないといけないし、当然一人身も辛い。
だったら全てそこそこの男選んで楽に生きるってのもひとつ手だな。(笑)みたいなオチになるんだけど、この迫られる3つの選択肢って笑い話じゃなくて悲惨だと思うんです。
つまりね、いい男の子を支えようということを生きる目的にする女の子は、もうどうやっても「楽(らく)で楽しい人生」はないわけなんですよ。

僕の奥さんは「武士道の女」で、なんでそう呼ぶかというと自分の真理(軸)ってのをきちっと無常や無情の中から見つけてきて獲得している人で、それはもう「普通の女の子」とはほど遠い、ある意味壮絶な日々があったわけで(笑)、だから真理探究型と一緒にいるほうも辛いってのは、男と女は逆だけど、経験談なんですね。僕の場合は。(笑)

そう思って、じゃあやっぱり女の子といえど「真理探究型」に育てなきゃ。それにはまず世の無常(無情)つまり挫折から入れ、みたいなこともあるんだけど、子供の笑顔ってのは残酷で、甘くなるんだな。これが。きっと僕にも前代的な「女の子だから、まあそんな厳しい道はいいじゃないか」みたいな意識は消えてないんだと思います。

でもね、きっともうちょっと先の時代には「いい男の子をみつけてる」女の子に「いい男」はこないんだな。世を生き抜くためには「真理追求型」同志がくっつかないと自分達の「生存戦略」上で危険だということを、本能的にたぶん知っているから。
だからやっぱり、3歳過ぎたら、心を鬼に。

って、弱いな。語尾が。(笑)