毒書の秋

10月は読書の秋ってなことで、本屋に行くと欲しい本がたくさん出てます。禁断症状で手が震えますが、抑えて全部は買わないことにしてます。お金がいくらあっても足りません。

そんな中、やっぱり最近の「内田樹フェチ」としては、書き下ろし新刊「街場のアメリカ論」が出ますねえ。これは買わないといけません。あと11月には文藝別冊から「大瀧詠一」特集ムック。伝説の分母分子論も再録されるそうですが、なんといっても内田樹との対談。対談というかインタビューですかね。あー、待ち遠しい。

最近昔読んだ本とかをもう一回読もうかと思っていろいろ本棚ひっくり返したりするんですが、うち、子供の目に触れさせられるような本が本当に少ない。(笑)困ったもんだと思ってます。隠すわけにもいかないし。捨てたりは出来ない。

今って全然無いですけれども、僕らか多感(笑)な頃っていうのは、バブル崩壊後の、もの凄く殺伐としたものが出てきた時代でしょう。前どっかに書いたことあるけど、クリエイターとかプチ文化人とかが、例えば東南アジアに目を向けだしたり、アダルトビデオ業界でもV&Rとかが出てきて、バクシーシ山下とかが出てきて「労働者階級シリーズ」とか出したり(ボディコンの女を現場の日雇いのおっさんとやらせる的なドキュメンタリー)インターネットが出だして、死体写真とか非人道的な写真が蔓延って、「鬼畜」という言葉がはやったり。ロフトプラスワンみたいなイベントスペースでいろいろな動きがあったり。

そういった「下層文化」ってものが、バブルの反動で、もの凄くクローズアップされてきて一部はそれにもの凄く反応したでしょ。僕もその一人だけど。鬼畜とかキッチュとか悪趣味とかさ。今もさ、いっぱいあるんだよね。その頃の本とか。

今って、ほんとそれ無くなった。エログロってほんとおとなしいもんだもんね。若者にそんな話しても、引かれるばっかりでしょ?たぶん。なんでなんだろう。人間の限りない悪のどろどろした本質に向かう感じって一度経験しておいてもいいような気もするんだけどね。勿論18歳までは禁止でいいと思うけど。(笑)

やっぱ、鍵付きの書斎が必要なのですかねえ。捨てたくはないなあ。毒書。エログロナンセーンスって、これは60年代か。(笑)
実は、こういうのって世代人数が多いと必ず盛り上がるもんだったりして。とすればもう一生ないんだ。日本でエログロがキテルね!って時代は。