「俺が叩いた」へのアンサー「僕が叩かせた」達郎さんのポンタさん回顧録に唸る~ポンタさん追悼2

2021年4月11日の山下達郎サンデーソングブック、村上ポンタ秀一追悼、夫婦で正座して聴きましたが笑、やはり、青山純佐藤博以来の2週に渡る追悼になるようで、達郎さんのあの時代への思い入れと戦友としてのポンタさんへの愛を感じます。
 
番組内でも紹介されていた文藝春秋村上ポンタ秀一追悼の山下達郎ロングインタビュー、まさにポンタさんの「俺が叩いた」本へのアンサーとしての「僕が叩かせた」と言った風情になっておりますが笑、70年代に起きていた日本の大衆音楽界のイノベーションの群像劇の細部がまた明らかになる内容でございます。
 
吉田美奈子「恋は流星パート2」がようやくポンタさんの多重録音によるダブルドラムだったことを達郎さんによって名言されただけでも貴重です。ずっとダブルなのか、みんなでイントロ途中からバックビートでハンドクラップして揺れを作っているのか、判然としないところがあり、あたしも好事家の方々と議論したこともありましたからね笑。
 
そしてもっと踏み込んで、そのひとり多重ダブルドラムにしたのは、ポリリズム効果よりも、当時勃興し始めたディスコ市場を狙い始めた達郎美奈子チームがオリジナルな和製ディスコミュージックを構築するにあたり、70年代に散々批判されたという、ポンタさんの「キックが弱い」を補完するためだったのではないかという新たな仮説も浮かばせる、新録の多いインタビューで、やはりナイアガラの後継者「聞かれたから答えた」「聞いてみたから分かった」話オンパレードでございました。
 
「スタイル」より「スタンス」であるという、そしてその勘所は決して言語化できる領域ではないという、その一文に全てが込められているというふうにあたしは思います。
来週のサンソンのポンタさん追悼2も楽しみです。